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阿波藍とは

藍のふるさと徳島で生まれた阿波藍

藍スタイの深みのある色は、阿波藍によるもの。
藍染めのなかでも「本藍染」は、職人の経験と技術によって支えられている伝統的な技法で染められています。

阿波藍とは

藍染めには、生葉で染める「生葉染め」と、発酵させた葉で作った「すくも」で染める「すくも染め」があります。
徳島県で染められた藍染めを「阿波藍」といい、すくも染めをしていることが阿波藍の最大の特徴です。
「すくも」とは、刈り取った藍の葉を乾燥後、発酵させて作ったもの。
作ったすくもを丸めたものが「藍玉」。藍玉が阿波藍の染料の素となります。

伝統的な技法で染められる本藍染

藍玉で染めるには、灰汁を加えてさらに発酵させる必要があります。
「藍建て」と呼ばれるこの工程は、化学薬品を一切使わない伝統的な技法。
藍染のなかでも「本藍染」はこの技法によって染められています。

藍の色合いを左右する職人の技

「藍は生き物」と言われるほど、繊細。
染め上がりの良し悪しは、職人たちの経験と丁寧なしごとによって左右されるとも言えます。
染める前に生地をしっかり水に浸し、空気や不純物を取り除くことも職人のしごと。
よく絞った生地を藍液に浸して染めていきます。
浸した生地を引き上げて空気に触れさせることで藍が発色。
黄土色から緑色へ、さらに水洗いをすることで藍色へと発色していきます。
水のきれいな吉野川流域だからこそ、深みを持つ藍に染まるのです。
氷のように水の冷たい冬でも、納得のいく藍色に仕上がるまで続けられるこの作業。
濃色に染める場合は50回以上も浸しては引き上げて水で洗い、また浸し…と、職人が染めていきます。

藍は勝色

「褐色(かちいろ)」という藍の色は、勝利に繋がる縁起の良い呼び名「勝色(かちいろ)」と呼ばれていることをご存知でしょうか。
現在では、サッカー日本代表の選手ユニフォームにも起用されるなど、勝負事で使われる色としても知られています。
日本の伝統色でもあり、縁起が良いことから採用されました。
「藍は勝色」と広まったのは、戦国時代。
武士が身に着ける「よろい下」を藍で染めたことが始まりといわれています。
藍染めには、傷を負った際の止血や消毒の効果があるといわれていたからだと考えられていました。
「勝負に挑む色」「勝つ色」として、さまざまなシーンで使われているのが、藍色なのです。

阿波藍の歴史

藍染料の一大産地・徳島県吉野川流域は、平安時代から藍が栽培されていたと伝わっています。
吉野川は、秋になると台風の影響で川の氾濫が起こることも多く、そのため3月に種をまき、夏に葉を刈る藍の生産が盛んだったのです。
また、川が氾濫した土地は、肥料食いとも呼ばれるほど栄養分を必要とする藍には、適した場所でもありました。
木綿が多く流通しはじめた江戸時代には、徳島藩が藍の栽培・すくもの生産を奨励し、大変栄えた吉野川流域。
明治以降は、安価な海外産の藍の輸入や化学染料の普及により、藍の栽培からすくも加工までを担う藍師は減少していきました。

すくも染めが貴重といわれる理由

藍の染料の素となる「すくも」。
刈り取った藍の葉を乾燥させるところには、職人の経験と技が光ります。
乾燥させた葉を発酵させる工程は、100日かけて連日行われます。
大量の葉をうまく発酵させることは、簡単ではありません。
化学染料の登場や安価な藍の輸入により、均一に染まらず手間のかかる藍染めの需要は減少していきました。
けれど、化学染料には出せない深みを持つ藍色は、その良さを伝えたいと願う藍師たちの情熱によって静かに継承されていたのです。
藍に含まれる成分が注目され、大学などで研究がされ始めると、ふたたび藍染めの良さが見直されてきました。
古来より生薬としても使われ、防虫・消臭・抗菌などさまざまな効果があるとされてきたからです。
藍で染めた着物は、何年たっても虫に喰われないなど藍のふるさと・徳島では語り継がれてもいたのです。
藍はその美しい風合いだけでなく、さまざまな可能性をもつもの。
今、藍の持つ効果がふたたび注目され、伝統的な価値とともに藍染めが見直されています。
藍染の色と藍の持つチカラに着目し、心をこめて作った商品の一つが「藍スタイ」です。

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