story

よだれが多い赤ちゃんのために

よだれが多い赤ちゃんのために

赤ちゃんが身に着けるものの中で、なぜ「スタイ」にこだわったのか。
「本当に肌のためにいいものとは」と、考えるようになったきっかけは、私の初めての育児にあります。
藍スタイの開発ストーリーを紹介します。

よだれで肌が荒れた我が子

赤ちゃんの成長とともに気になり始める、よだれ。
わが家の子どもは生後3ヶ月ごろからよだれが出始め、1ヶ月もしないうちに何度拭っても間に合わないほど、よだれが多くなりました。
口のまわりはベタベタでスタイだけでは間に合わず、下の服までしっとりと濡れてしまうありさま。
ハイハイで動くようになれば、子どもの通り道に水たまりができるほどで、常にガーゼを手に、子どもの口を拭うという毎日でした。
よだれは元気な証拠などと耳にしますが、我が子はよだれが原因で、肌荒れがひどくなり、病院へ通うようになりました。

「肌に優しいスタイ」とは?

かかりつけ医からは、肌への影響が少ないスタイを提案されました。
その条件とは次の3つ。

  1. 天然素材の肌触りのいいもの
  2. 吸水性が高いもの
  3. 装飾が一切ないもの

1つめの「肌触りのいいもの」は、ガーゼのようなもののことで、世の中にたくさんありそうです。
2つめの「吸水性」は、厚手の生地であることと、胸元をしっかり覆う大きいサイズであること。
3つめの装飾とは、刺繍やプリント、リボンなどの飾りのこと。
タグすらも赤ちゃんの柔らかい肌にはストレスになるので、それらが一切ないもので、できれば縫い目も肌に当たらないものがいいのです。
柔らかく肌触りがよく、しっかり吸水してくれる大きめのデザインで、飾りのないシンプルなスタイ。
これが、赤ちゃんの肌に優しいスタイです。

「肌に優しいスタイ」がないから、作る!

かかりつけ医にアドバイスを受けて探し始めてみて、分かったことがありました。
こんなにいろんなデザインがあるのに、本当に肌に優しいスタイの条件をクリアするものに、なかなか出会えないことです。
探しながら、一方で「肌に優しいスタイって?」と考え、自分で作ってみることにしました。

1、肌触りのいい素材

肌触りのいい素材というと、ガーゼ。
けれど、よだれの多い赤ちゃんには、通常のガーゼでは追いつきません。
いろんな種類から辿りついたのが、7重ガーゼ。
2枚のガーゼを縫い合わせて使うので、吸水性も高く、肌当たりも柔らかく軽いのです。

2、吸水性

実はそれまで「よだれが多いから、スタイは何枚も必要。洗濯して乾きやすい薄手のものを」と考えていました。
けれどすぐベトベトになるため、何回もスタイの交換が必要で、洗濯ものが増えるだけでした。
7重ガーゼでしっかり吸水するスタイのほうが、肌への刺激が少なく、結果的に使う枚数も少なくて済むとわかりました。
「胸元を覆う大きめの形」も、吸水性の高いスタイには大切なことでした。
スタイに垂れたよだれは、じわっと広がっていくからです。
よだれの多い赤ちゃんには、広い面で吸水するスタイがピッタリでした。
さらに、大きな丸いスタイは抱っこ紐やチャイルドシートを使う際にベルト部分の汚れをケアするのにも役立ちました。

3、装飾がないもの

「リボンやプリントや刺繍などは不要」というアドバイスは、私にとっては心強いものでした。
もともと、赤ちゃんが身に着けるものはシンプルなものがいい、と考えていたからです。
ただシンプルな分、薄い色のスタイでは汚れが目立つような気がしました。
イラストや模様がないので余計に汚れが目立ち、部分洗いをする手間がかかるのでは…と、肩こりや腰痛に悩みながら考えていました。

スタイを藍で染めてみる

私の地元は、徳島の中でも藍染めの一大産地と言われたところ。
スタイに使う色のことを考えていたとき、ふと藍染めの色が頭に浮かびました。
天然の染料で染めた生地は味わいがあり、肌にしっくり馴染みます。赤ちゃんが身に着けても似合うはず!
同時に徳島では、藍は防虫・消臭効果があると言われ続けていることにも気付きました。
「抗菌効果はどうだろう?」と藍染めの職人さんを訪ねました。
藍染め職人さんの話では、アトピー性皮膚炎に悩む人が肌着を染めに来ることもあるとのこと。
実際に藍染めをしたスタイを第三者機関で抗菌テストした結果、黄色ブドウ球菌(傷の化膿やとびひなどの原因菌)に対して抗菌効果ありと、認証を受けました。
半乾きのいやな臭いの原因となるモラクセラ菌に対しても、軽減されるというテスト結果が得られています。
藍の色を思い浮かべて調べてるうちに「スタイを藍染めしよう」と、心は決まっていきました。

赤ちゃんのよだれで悩んでいるお母さんへ

藍染めしてスタイを作り商品を…とその道筋が見えてきた頃には、我が子のよだれも少なくなり、肌荒れもしなくなっていました。
かかりつけ医からアドバイスを受け、試行錯誤の末に完成したスタイを、我が子が使うことはなさそうです。
けれど、同じように「よだれが多くて大変」「肌にやさしいスタイを使いたい」と悩んでいるお母さんが、どこかにいらっしゃるのではと思い「藍スタイ」として製品化しました。
きっかけは、赤ちゃんの肌を優しく守りたいという思い。
赤ちゃんとお母さんが笑顔で過ごせますように、と願いを込めて生まれたのが藍スタイです。

タイトルとURLをコピーしました